陶磁繊維の断熱特性
陶磁繊維は典型的な耐火材料よりも熱伝導率が低いため、優れた断熱特性を持つ繊維状の耐火材料です。陶磁繊維の優れた断熱性能は、その低い熱伝導率と小さな熱蓄積能力に起因します。
陶磁繊維は固体繊維と空気から成る複合構造で、多孔率は90％を超え、空気の熱伝導率に近い断熱性を持っています。室温での静止空気の熱伝導率はわずか0.0267W/(m·K)です。したがって、陶磁繊維は熱伝導率が低く、熱容量が少ない断熱材です。陶磁繊維の熱伝導率は、温度、密度、スカム成分、繊維径、繊維湿度、繊維の方向性、使用環境に関連する変数です。
陶磁繊維の主な特性
A）陶磁繊維およびその製品の熱伝導率は、温度上昇とともに増加します。
B）陶磁繊維およびその硬質製品の容積密度が<0.35 g/cm³の場合、密度の増加に伴い熱伝導率は減少します。
C）陶磁繊維およびその硬質製品の容積密度が>0.35 g/cm³の場合、密度の増加に伴い熱伝導率は増加します。
D）陶磁繊維およびその柔軟製品の容積密度が<0.096 g/cm³の場合、密度の増加に伴い熱伝導率は減少します。
E）陶磁繊維およびその柔軟製品の容積密度が>0.096 g/cm³の場合、密度の増加に伴い熱伝導率は増加します。
F）容積密度が0.24〜0.35 g/cm³に達すると、熱伝導率はもはや減少せず、増加の傾向を示します。
G）一定の密度条件下では、スカム成分の増加が熱伝導率の増加につながります。
H）一定の密度条件下では、繊維の直径が小さいほど熱伝導率が低くなります。
I）一定の密度条件下では、繊維の湿度が高いほど熱伝導率が高くなります。
J）一定の密度条件下では、熱の流れが陶磁繊維の方向に垂直な場合、熱伝導率が高くなります。熱の流れが陶磁繊維の方向と平行な場合、熱伝導率は低くなります。
K）一定の密度条件下では、陶磁繊維の環境中の気体の熱伝導率が高い場合、陶磁繊維の熱伝導率も高くなります。
